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発掘日記013

玖月拾四日
朝から雨。



朝の点呼と同時に雨が降り始めました。

雨の中、まずは台風が近づいているということで台風養生をしました。
休憩用テントの幌を外し、道具を器材庫に仕舞うんですが、現場と器材庫が結構離れているので大変でした。

途中からカッパを着て作業。

始めは、片付け終わったら最低限の道具だけ持って掘り込みをするという指示だったのですが、雨足が強くなってきたので中止に…

結局30分。
でも30分でずぶ濡れです。

それでも、半日給は出るので儲け儲けw



予告通り道具の紹介をば。

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「移植ごて」
スコップともいいますね。一番基本的な道具です。
掘る、土を取る、削る…と、一つで多様な使い方が出来る便利なヤツです。

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「ガリ」
土の表面をガリガリ削るから「ガリ」。
正式名称は「捻り鎌」「草削り」とかいうらしい。草取りで使いますよね。
主に遺構の検出に使います。表面を削って色の境目をはっきりさせるんです。

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「お玉」
この形のものは「レードル」っていうんですね。
掘った柱穴などの側面を削って滑らかにしたり、底に溜まった土を掬い上げたりするのに使います。
柄が強いものが適しています(しなったり曲がったりすると使いにくいです)

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「てとう鍬」
普通はただ「てとう」とか「鍬」とかいいます。片手で使う小型の鍬で、一般には「片手鍬」ってそのままですね
硬い土を打って掘ったり、遺構の肩を崩したり…と、使う機会は少ないですが力強いです。
一日中硬い土を起こしてると筋肉痛に…

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「鋤簾(ジョレン)」
掘り上げた土を「てみ」や「ネコ」に移したり、大まかな遺構検出や写真撮影用に表面の土を取ったりするときに使います。
溝掃除に使いません?
いつでも「てみ」とセットです。

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「手箕(てみ)」
土を入れ廃土場まで持っていったり、「ネコ」に入れたりするもの。
一般名称は「箕(み)」「いしみ」らしい。「てみ」が方言だという説もアリ。
移動するときにはこれに道具類を載せて歩きます。

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「ネコ車」
通称「ネコ」「一輪車」。「一輪車」のほうがメジャーな呼び方でしょうか?建設現場などでは「ネコ車」で通るらしいですが。
土を入れて廃土場へ捨てに行くとか、土を入れて廃土場へ捨てに行くとか、道具を運ぶとか、土を運ぶとか、そんな用途です。
人は運んじゃ駄目です。

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「ジョウロ」
語源はポルトガル語だそうです。当て字で「如雨露」…なんかオシャレですw
乾いた土は硬いし、色の違いが分かりにくいのです。
掘る前にジョウロで水をかけてやります。セオリーです。


こんな道具たちを使って作業してます。
その他、移植ごてが入らない狭いところや遺物があって傷つけられないときに使う「竹べら」とか、
「ポリバケツ」「スポンジ」「はけ」なんかも使いますね。


最後に、面白いサイト見つけたので紹介しときますね。
考古学実用語辞典
発掘現場の面白用語辞典

  by D_sus4 | 2007-09-14 19:21 | バイト

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